樽床伸二 official website

私の主張:日々の気づきや、アイデアなどを政治・経済にかかわらず樽床伸二の考えを綴って参ります。

「平成30年度国家予算」を考える②
「平成30年度国家予算」を考える①
【緊急対談】vs村井嘉浩(宮城県知事)
「省エネ大国・日本」を目指して!
「格差の拡大」は、国を滅ぼす!
~「働き方改革」から20年後を展望する~
『21世紀・日本再生論』(2015・12)-36 政権交代と結果責任
『21世紀・日本再生論』(2015・12)-35 世代交代とは
『21世紀・日本再生論』(2015・12)-34 保守とは?
『21世紀・日本再生論』(2015・12)-33 消費税を、「年金・医療税」に!‐Ⅱ
『21世紀・日本再生論』(2015・12)-32 消費税を、「年金・医療税」に!
『21世紀・日本再生論』(2015・12)-31 憲法改正は加憲方式で
『21世紀・日本再生論』(2015・12)-30 地球温暖化問題は、未来への責任
『21世紀・日本再生論』(2015・12)-29 新時代のエネルギー戦略
『21世紀・日本再生論』(2015・12)-28 日本経済の構造は激変した‐Ⅲ
『21世紀・日本再生論』(2015・12)-27 日本経済の構造は激変した‐Ⅱ
『21世紀・日本再生論』(2015・12)-26 日本経済の構造は激変した
『21世紀・日本再生論』(2015・12)-25 人口減少社会という新しい時代の中Ⅱ
『21世紀・日本再生論』(2015・12)-24 人口減少社会という新しい時代の中で
『21世紀・日本再生論』(2015・12)-23 地域主権型道州制」の実現は、大阪から

『21世紀・日本再生論』(2015・12)-34 保守とは?

『21世紀・日本再生論』(2015・12)-34

保守とは?


 イデオロギーの時代が終わったと言いながら、私たちは、「保守」という言葉をイデオロギー的に使っています。私は、「保守」とは、「新保守主義」といった単語に見られるような主義・主張の座標軸での概念だとは思っていません。「保守」とは、“姿勢”だと思っています。それは、「過去を受け入れる」姿勢だと思っています。過ぎ去った過去は2度と取り戻すことはできません。時計の針を戻すことはできないのです。過去をいくら否定したとしても、現実は何も変わりません。それゆえ、過去を否定するのではなく、過去を受け入れ、そして未来を考える姿勢が「保守」ではないかと思っています。そして、過去を否定することは、現状認識を間違ってしまう傾向を生み出してしまいます。なぜならば、過去を否定することは、今の現実を否定することにつながり、今の現実を否定することは、現状認識を誤らせることになるからです。
そして、現状認識を間違うと、結果は必ずと言っていいほど失敗に終わると思います。いろいろな課題に対しての対応策は、多くの人の提言があり、それぞれ素晴らしいものも多くあります。私は、方法・手段で失敗するよりも、現状認識を間違うことが失敗の原因であることが多いように思います。つまり、間違った現状認識をもとに適切な手段を実行すれば、結果は間違ったものになるのです。間違った現状認識をもとに行動しながら結果がうまくいくことがあれば、それは逆に方法を間違ったからか、特別な要因なり環境変化があって、たまたまうまくいったのです。
 著名な歴史作家である私の親友から聞いたことがあります。
「剣豪・宮本武蔵は、生涯、1度も負けたことがない。その要因は、勝てる相手としか勝負をしなかったからである。負ける相手とは、勝負を避けたのです。笑い話に聞こえるかもしれないが、相手の力量を見抜く目を持っていたということである。」
つまり、宮本武蔵は、1度も現状認識(自分の力量、相手の力量)を間違わなかったということなのです。
 しつこいようですが、正しい戦略は、その80~90%が、現状認識を正しくすることによって決定されてしまうのです。正しい現状認識から的確な発想が生まれ、方法・手段は、多くの人の衆知を集めればよいということになります。先の大戦の教訓を、私たちは決して忘れてはいけないのです。現状認識の間違いが、国家存亡の危機を招いたのです。
 それゆえ、過去を受け入れることによって、変化に対応することが可能となり、現実的な変革が実行されるのだと思っています。そういった意味からも、これからの成熟社会を乗り越えていくためには、「保守における変革」が必要になると思っています。現状をどのように見ていくのか、何がどう変わったのか、そして、どのように発想を転換していかねばならないのかが、非常に重要だと思います。そして、世の中に綺羅星のごとくおられる多くの人の衆知を集め、具体的な施策を決めていけばいいと確信しています。


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